軒天を塗装する際に必要な材料や費用について

皆さんこんにちは!
アイテックス代表の越川です。

今回も外壁塗装や、屋根塗装に関するアレコレをご紹介していきます!!

今回のテーマは…『軒天を塗装する際に必要な材料や費用について』となります。

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軒天とは、一般的に軒下や軒裏と呼ばれる部分のことを指します。
面積的には狭いのですが、塗装をするには面倒で見た目にも関わってきます。
ただ住宅的には脆さを感じる場所でもあり、湿気などが原因で剥がれたりすると、あまり良い印象を得ることはできません。

軒天で使用されている建材はどのようなものかを知らないと、補修をするにしても見通しが立たないでしょう。
そこで、軒下の補修にはどのような材料が必要なのか、塗装を行う際には費用はどれくらいあればいいのかを紹介します。

軒天とはどういったものか?

軒天とは軒下や軒裏とも呼ばれる、住宅の屋根が張り出している部分の裏側のことを言います。
雨どいや破風版などと同様に「付帯部分」と言われ、塗装については外壁や屋根とは異なる部分になります。
軒天は屋根の出っ張りがどれくらいあるのかによって大きさは異なり、屋根によってはない場合もあれば、非常に広いこともあるのです。

軒天に使用されている材料

軒天と呼ばれる部分によく使用されている材料については、ベニヤ板、ケイカル板、エクセルボード、フレキシブルボード、金属板などが挙げられます。
それぞれどのような材料なのかを紹介していきます。

◆ベニヤ板

軒天に使用される材料にはベニヤ板がありますが、同様の意味で使用されるものとして合板もあります。
昔からある住宅の軒天に使用されていることもあり、古い住宅の軒天を覗くと見ることができるでしょう。
むき出しのままの軒天もありますが、一般的にはその上からヒノキなどの模様のシートが被せられています。
このように見た目を変えることを、化粧合板や化粧版と呼んでいます。

合板は名称の通り木の板を重ねているものになり、軽いことから耐久力もほとんどありません。
あくまで裏側になるため目立つこともなく、耐久力も必要ないことから、軒天として使われるケースが多かったようです。
脆さとしては、耐火性や耐水性についても言え、最近の住宅ではケイカル板を使用するところがほとんどです。

費用としてはとても安いことから、住宅を建築する際に少しでも安価に見積もりたいときには、使用されることがあります。
合板やベニヤ板は薄い木が何重にも張り付いていますので、劣化をすると接着面が弱まり、剥がれることがあるのです。
そのようなときには、見た目的にもあまり良くはなくなります。

◆ケイカル板

ケイカル板とは、最近の住宅などの軒天でよく使われている素材です。
水酸化カルシウムやアスベスト、珪藻土と水で作られている合板のことを言います。
耐火性と耐水性を持ち、丈夫で軽いことから、住宅内の様々な部分で使用されています。
台所や洗面所といった部分でも、同じ素材で作られています。

法廷不燃材としても認定されているもので、燃えない材料といった性質を持ち、非常に強い耐火性を実現させています。
以前はアスベストが使われていましたが、材質的に疑問が生じた頃からは使用が禁止されています。
現在見ることができるものは、ノンアスベストで作られているものがほとんどです。

ケイカル板の表面には、有孔タイプと呼ばれる穴が空いているものもあり、これは通気性をよくするために行われています。
様々な模様が施されているものもあり、タイルのようであったり、木目調のもの、カラーが付けられたカラーケイカル板というものもあります。
軒天として設置してから、塗装をすることもあるようです。

ケイカル板自体に模様が描かれたシートを張り付けているものもあり、これらはデザインボードやデザインパネルと呼ばれることもあります。
ただ湿気が酷くなると動くこともあり、ケイカル板の境い目や張り付ける際に使う器具などに余裕を持たせないと、ズレることもあるようです。

◆エクセルボード

エクセルボードとは、別名をスラグ石膏板とも呼びます。
必要となる部分を除いた後に残るカスなどのことを言い、石膏を混ぜて固めたもののことをスラグ石膏板と言います。
スラグと石膏から作られているため燃えるようなことはなく、耐火性に優れています。
こちらもケイカル板と同じように、法律的に法廷不燃材として認定されているのが特徴です。

◆フレキシブルボード

フレキシブルボードとは、セメントの中に繊維質を混ぜて作られています。
繊維強化セメント板とも言い、一般的にはスレートボード、または単にスレートと呼ばれることがあります。
こちらも燃えにくいことから、法廷不燃材に認定されています。

◆金属板

稀に金属板を軒天として使用することもあります。
こちらはガルバリウム鋼板やアルミスパンドレルなどの、錆びにくい金属を使用します。
金属ではありますが、とても軽いのが特徴です。
軒天の部分だけでなく、屋根全体がこの金属で作られている場合に見ることができるのがほとんどです。

有孔板の有効性

軒天をしたから覗くと、無数の穴が空いているものがありますが、これを有孔板と呼んでいます。
この穴は通常、空気を通すために空けられています。
もちろんそれだけでは通期の役割を満たしませんので、屋根裏部や棟部などにも通気するための穴が空いています。
空気が通りやすくすることで、劣化を防いでいます。

また防火の役割を持つ防火有孔板と呼ばれるものもあり、こちらは板の一部に穴が空けられています。
単なる通気の役割だけでなく、防火にまで力を発揮します。
準耐火構造を満たしている建物に使用され、火災保険などで定める構造を見たす必要もあります。
さらに全面的に穴の空いた全面有孔板と呼ばれるものもあり、こちらは準耐火構造の住宅では使用できません。

◆見積もりに記入されるEPとAEP

業者に軒天の塗装をお願いすると、最初に見積書を貰うと思います。
費用について書かれているのですが、中には材料の項目や運搬費など様々なものを見ることができます。
その中に、「軒天塗装EP塗り」や「軒天塗装AEP塗り」と書かれていることがあります。
この意味とは、どのようなものでしょうか?

EPというのはエマルションペイントの略になり、要するにエマルション塗料を指しています。
ここにあるエマルションの意味は、全く異なる成分の分子が同じように存在していることを言います。
身近にあるものとしてはマヨネーズを挙げることができ、卵黄と油が同時に存在しているような状態と考えると分かりやすいでしょう。

水彩の絵の具などもエマルション塗料と言えますが、それを考えると雨が滴る住宅の外部などに使うことはできません。
内装などであれば、健康的にも安全に使用することができます。
AEPはアクリルエマルションペイントの略になり、エマルションのアクリル塗料のことを指しています。

軒天に現れる劣化にはどのようなものがある?

住宅に住み続けて入れば、必ず何処かに劣化が出てきます。
それは軒天についても同じことが言えます。
では、どのような劣化の症状が現れるのか、以下のようになっています。

〇色褪せ
直接太陽の紫外線などは当たりませんが、地面からの反射などで少しづつ色褪せは起こります。

〇シミ
シミは雨漏りをしているときに起きる現象がほとんどです。
屋根が傷んで屋根裏に雨水が侵入し、そこから軒天まで到達することでシミとなって現れてきます。

〇剥がれ
ベニヤ板や合板と呼ばれる軒天によく見られる現象で、古くなって表面から剥がれたり、酷くなると板がそのまま外れてしまうこともあります。
塗装などは塗膜剥離を起こして剥がれることもあり、かなりボロボロの状態に見えることもあります。

〇藻やカビ
湿気や雨水が原因になり、もやカビが発生することもあります。

〇欠落や穴空き
古い部分が落ちてなくなったり、大きな穴が空くことがあります。
この部分から鳥やヘビ、虫などが入り込むことがあるので注意が必要です。

軒天と補修する際の方法

軒天も住宅の一部ですので、いつかは劣化をしたり不具合が起きる可能性が高いと言えます。
そのようなときにどんな補修をするのかを紹介していきます。

◆塗装

軒天の塗装の相場としては、1平米あたり500~1500円くらいですが、足場の設置費用は別途かかります。
外壁塗装を行う際に、あまり目立つような破損がなければ、普通に塗装を行うことになります。
板の間の境い目の部分や、目地に板を繋げるための器具が付いているのかによって、少々異なります。

基本的に火が当たるような場所ではありませんので、塗料にこだわらなければ上記の相場になります。
外壁に合わせて塗装を行う際には、より高い金額になるでしょう。
一般的には屋根などに合わせて選ぶことになると思います。

「軒天を塗装する際の順序」

①サンドペーパーなどを使って汚れなどを取り除く
②皮剥きでキレイな状態にする
③表面に傷を付けて塗料が付きやすくする
④下塗り剤を塗る
⑤上塗りを二度行う

目地の部分に板を繋げる器具(ジョイナー)があるときには、下塗りの前に錆止めを行います。
凹みなどはパテなどを使って平らにしていきます。

「DIYで行うとき」

平屋の住宅や一階部分の軒天を塗装するくらいは、DIYでも行うことができるでしょう。
ただ二階などになると足場が必要となることから、素人では非常に難しくなります。
足場を使うことなくハシゴなどに頼って行うと、転落など大きな事故へ繋がる可能性があることから、止めておいた方がいいでしょう。

仮に自身で行うのであれば、十分な安全確認を行う必要があります。
軒天の塗装だけであればそこまで難しくはありませんので、準備もそこまで大変ではありません。
塗装用の道具としては、下地処理を行う皮剥きと塗装を行う刷毛、ローラーと塗料があれば大丈夫です。

◆軒天を張り替える

軒天を張り替える際に必要となる相場は、一軒につき15~20万円くらいになり、足場代は別途かかります。
軒天が劣化し過ぎてしまうと、塗装をするだけでは補修になりません。
その際には、軒天自体を交換する張り替え工事を行う必要があるでしょう。
たとえ一部だけが剥がれていたとしても、軒天の材料がベニヤ板であれば全面的に張り替えてしまった方が、後のことを考えると良いかもしれません。

もし一部だけを交換していると、場所によって劣化が起きるスピードが大きく異なります。
その都度足場を組んだり、専門の業者に頼んでいると費用的にもおおきくなる可能性があります。
さらに張り替える際に使用される板は、部分に合わせて加工などを行う必要があるのです。
これは大工の仕事になるため、撤去から取り付け、施工や塗装を考えると費用は大きくかかるでしょう。
もちろん足場代は別にかかることになりますので、外壁塗装や屋根塗装などの大規模補修工事と一緒に行うことが望ましいと言えます。

軒天の色の選び方

元から木目調であればそのままでも良いかもしれませんが、自身で色を決めたいと考える方もいると思います。
軒天の色をどのようにするのかは、そこに住んでいる人の好みが優先されます。
人気の色と言えば白色ですが、できる限り明るい色の方がいいでしょう。

基本的に軒天は太陽の光が当たらないため、少々暗く見えるところと言えるでしょう。
そのため最初から明るい色を選ぶ方も少なくありません。
どんな色でも良いのであれば、ノーマルな白色か明るめの色を選択すると間違いないでしょう。
逆に屋根と同色にするのもオシャレになり、外壁とのギャップを楽しんでも面白いと思います。
全体のバランスを確かめながら、選択しましょう。

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