近年、エネルギーの自家消費だけではなく、助成金や余剰電力買取制度による売電収入を目的にして太陽光パネルを設置する家を見る機会が増えました。

ただ助成金や売電収入は、後から導入するほど条件が悪くなる傾向にあり、もし導入を検討されている場合は、早めにした方がメリットも大きくなるでしょう。

ただ本当に高額な資金投入をしてまでも行うメリットがあるのか、疑問に感じている方もいるかと思います。

そこで、太陽光パネルについて知っておくべきことを紹介します。

太陽光発電のメリット

太陽光発電とは、屋根などに太陽光パネルを設置して太陽エネルギーを電気に変えるシステムです。

ただ屋根で蓄えられた電力を家庭で使えるようにするためには、交流の電力に変換するパワーコンディショナーも必要になり、これを総称して太陽光発電システムと呼んでいます。

設置をした際のメリットを紹介します。

○電気代負担

太陽光発電システムを使って生み出した電気は、無料で使うことができます。

そのため、電力会社から購入する電力量を減らすことができ、電気代の節約へと繋がります。

太陽光パネルで作られた電力は、家庭で消費する以外に電力会社に買取してもらうことができます。

○地球環境問題

日本で主力の火力発電は、化石燃料を燃やして二酸化炭素を排出しています。

この二酸化炭素は地球温暖化を加速させ、海面上昇や異常気象を引き起こす原因になります。

しかし太陽光発電は地球にやさしいエネルギーのため、二酸化炭素の削減に貢献できます。

○電気に困らない

太陽光発電システムがあれば、災害などで電力の供給が停止しても使用することができます。

太陽という自然エネルギーを使用するので、昼間のうちに電力を蓄電しておけば、夜間でも使用可能です。

太陽光発電のデメリット

太陽光発電には、メリットもあれば当然デメリットもあります。

そこで、このデメリットについても知っておきましょう。

○初期導入費用

太陽光発電システムの最大のデメリットは、初期投資の費用です。

昔に比べると技術の進歩によって格段に導入コストが下がっていますし、太陽光発電を使っていくうちに電気代削減プラス売電によって導入コストが回収できるシステムがあるとは言えます。

それでも、初期投資に掛ける金額が高いのは難点です。

○売電価格の低下

昔に比べると、売電価格が年々と値下がりしています。

電力会社が買取する新制度がスタートした2012年度の価格は1kwh辺り42円でしたが、2021年度になると19円、2022年度では17円になっています。

技術の進歩によって初期費用が下がった分、売電価格が下がっていることも原因と言えます。

○メンテナンス

太陽光発電システムは雨風などでパネルが汚れると発電効率も落ちるので、定期点検や設備交換が必要になります。

屋根のリフォーム

どのような家屋でも、経年劣化を防ぐために屋根や壁の本格的なリフォームが必要です。

太陽光パネルを設置する場合は10～20年ほどで改修工事が必要になるので、しっかりとプランを決めていく必要があります。

屋根の種類による設置方法について説明します。

○スレート屋根

スレート屋根の化粧スレート屋根は、建築後10年から15年で急速に劣化していく傾向が見られます。

太陽光パネル設置の屋根をリフォームする際、一度パネルの脱着と装着を行う必要があります。

これが非常に高いのです。

もちろん費用を抑えるために太陽光パネルを脱着せずに行う方法もあるのですが、この方法だと部分的なリフォームになるため劣化箇所がバラバラになってしまい、近いうちにリフォームまでいかなくても補修工事が必要になり、管理がとても大変です。

そのため、こういった細かいことを考えるのであれば、太陽光パネルを全部外して全体的にリフォームをした方が次にリフォームを行う時期も同じになるため、トータル的なコストが良くなります。

○瓦屋根

一般的に太陽光パネルは、屋根に穴を開けて瓦の下にある垂木と呼ばれる屋根の骨組に取り付けます。

「屋根に穴を開ける=雨漏りする」のではないか、と心配する方もいるでしょう。

一般的に屋根に穴を開けた際には、樹脂でできたコーキング剤を隙間に埋めるコーキング作業も行います。

手間は掛かりますが、ビスやピンの周囲など雨漏りの可能性がある箇所すべてに雨漏り対策を行うため雨漏りの心配はありません。

○瓦屋根そのものに設置する方法

太陽光パネルを設置する際、瓦その物に取り付ける方法も存在します。

正確には、太陽光パネルを設置するための金具が取り付けられた支持瓦に変更するのです。

この支持瓦にするためには、対象個所の瓦を全て変更する必要があるので費用が掛かります。

ただこの方法の大きなメリットは、アンカー工法と異なり垂木や瓦に穴を開ける必要がなくなるため、雨漏りの心配がなくなることです。

支持瓦にはアルミ製瓦もあり、強度に欠ける部分があります。

どういった設置方法が良いのか、施工業者に屋根を見てもらって判断すると良いでしょう。

太陽光発電を選ぶポイント

太陽光発電のパネルには様々な種類があり、屋根の形状によって取り付けできない製品もあります。

例えば、屋根や建物の強度が柔らかすぎたり弱すぎたりするケース、屋根が小さく最低設置枚数分のスペースを確保できないケースなどです。

そのため、希望するメーカーの太陽光パネルが必ず設置できるわけではない、ということを頭に入れておきましょう。

太陽光パネルを外すリスク

太陽光パネルが設置されたリフォーム工事は、一般屋根に比べると負担やリスクが大きいです。

負担で言えば、太陽光パネルを取り外す費用と保管費用、新たな太陽光パネルを設置する費用が伴います。

これは旧パネルを一度外して再び設置するのですから、新品の設置以上に手間が掛かるのは当たり前です。

リスクで言えば、屋根からパネルを外す際、屋根が傷んでいることでの危険性、傾斜による転落の危険も考えられるため、足場が悪い状態での作業が求められます。

太陽光パネル脱着費用

太陽光パネルの脱着に伴う屋根リフォームの工事費用が気になる方もいるでしょう。

そのため、どこに屋根のリフォームをお願いすべきか非常に悩むところです。

中には、太陽光パネルを設置してくれた業者にお願いする方、顔馴染みにお願いする方もいます。

しかしこういった場所に依頼を行っても、実際に屋根のリフォーム工事を行うのは専門の工事業者です。

基本的にリフォーム工事の費用に仲介料が加算されるので、驚くほど高額になることもあります。

太陽光パネル費用を抑える方法

少しでも太陽光パネルの費用を抑える方法としてのおすすめは、専門の工事業者へ直接依頼することです。

専門の工事業者へ直接依頼すると工事費用が安くなったり、専門的な知識や経験が豊富であったり、対応が迅速であるというメリットがあります。

○工事費用が安い

専門の工事業者へ直接依頼すると、ハウスメーカーや工務店などを通さずに直接契約ができるので仲介費用が発生しません。

結果として安い工事の費用で依頼することができます。

○専門分野の知識や経験が豊富

専門の工事業者は様々な事例に合わせた施工をしているため、経験豊富なのが強みです。

そのため、建物の状態に応じた工事方法を提案してもらえます。

工事内容についても、納得できる説明をすぐに聞くことができます。

○対応が迅速

太陽光パネル設置業者、ハウスメーカーや工務店を仲介すると、ワンクッションおいて連絡が必要となるため時間が掛かります。

しかし専門の工事業者に依頼すると、不具合や災害事故などが発生した際に直接会話することができるので、迅速に対応してもらえるというメリットがあります。

太陽光パネルの屋根のリフォームに伴うメリット・デメリットを紹介しました。

太陽光パネルをこれから設置したい方も、リフォームを考えている方も少しは理解が深まったと思います。

地方自治体によっては太陽光発電への補助金を出す地域もあるので、自分の居住する地域を調べてみると良いでしょう。

詳しく知りたい場合は、市役所に問い合わせをしてみると施工業者を教えてもらえます。